2008/2/14

●【棺桶アルバム④】 THE WiLDHEARTS / p.h.u.q

> ROCK と XX, 音楽雑談 — サイトウD @ 10:58:06

ほぼ忘れていました、このシリーズ。だって、書き出すと止まらないんだもん(笑)
棺桶に入れてもらいたいくらい好きなアルバムをご紹介する第4弾。
今回はコチラ↓ 僕の個人的趣味をご存知、もしくはご推測できる方には、結構意外なアルバムかも。

P.H.U.Q
◆ THE WiLDHEARTS / p.h.u.q (1995年)

今、会社のライブラリーからアルバムを引っ張ってきましたが、
解説のない輸入盤しか見当たりませんでしたので、バイオ的なものは割愛します。
以下、僕の記憶・思い込みのみでご了承ください。
(解説を書いていたのは確か、MUSIC LIFE編集長(当時)の増田勇一さんだった気が・・・)

今、「エモ」 と呼ばれるポップ・パンクが人気となっています (あくまでも 「狭義の」 エモですが)。
その中には、ヘヴィ・メタル風のリフにポップで泣きのメロディーを乗せるバンドが多く見られます。
僕は、そんなスタイルの元祖中の元祖こそ、UK出身の彼ら、ワイルドハーツだと思っています。
そして、現在最も過小評価されているバンドだとも・・・。

デビュー当時、「METALLICA meets THE BEATLES」 と呼ばれたワイルドハーツの音楽は、
ゴリッゴリのヘヴィ・メタル・リフを土台に、
60年代から脈々と続くUKポップのメロディー、そしてパンクの攻撃性を融合させたもので、
どこのシーンに属すわけでもなく、ジャンル分けも不可能。
フォロワーもいないというほぼ孤立無援のバンドでした。

メタル・ファンからしてみたらポップ過ぎるし、速弾きソロは無いしで、若干なめられ気味。
パンク・ファンやポップ・ファンからしてみれば、逆にメタルっぽ過ぎる。
メタルが一番衰退していた (要するに、ダサさの象徴だった) 時代でもあり、
とにかく、雑誌・メディアも、どこで取り上げて良いのか掴めていなかったように感じます。
しかも当時のUKは、oasis vs. Blur の 「ブリット・ポップ」 全盛期
そりゃ、浮いて当然な音楽性だったのかもしれません・・・。

でも、世界中で熱狂的なファンを確実に掴んでおり、そのメロディー・ラインの親しみやすさから、
日本では特に大きな人気を獲得していました (していたはず)。

マーケット・ハーバーただ、中心人物の GINGER (ジンジャー)
極めて癖のある性格も災いし、メンバーは常に流動的。
このあと、解散 → 再結成 → 解散を何度も繰り返し、
現在に至っています(笑)
また、ここ最近はジンジャーの活動が非常に活発で、
ソロ、別名義など、1年に1枚は必ずアルバムをリリースし続け、
今月も、ソロとしてのニュー・アルバム、
『MARKET HARBOUR』 をリリースしたばかりです (名盤)。

加えて。
ワイルドハーツを通過していった元メンバー達には何故か、
そのワイルドハーツの影響が色濃く残ってしまうようで、
脱退してもなお、ワイハーを彷彿とさせるヘヴィでメロディックなバンドを
新たに結成する事がよくありました。
HONEYCRACKSUPER STUPID などなど・・・、どれも名盤/名バンドで、
ああ、僕もよく追いかけていたなあ~・・・。

さてさて。このアルバム 『p.h.u.q』 は、オリジナル・アルバムとしては (確か) 2枚目。
メタル・リフは1stより抑えられ、だいぶポップ寄りになった印象ですが、
メロディーの立ち方は半端じゃなく、スタジアムで大合唱 間違いナシな、ビッグ・ナンバーが目白押し。
「METALLICA meets THE BEATLES」 とか言うより以前に、
「CHEAP TRICKのアップデート&ヤンチャ版」 と言った方がしっくりくるかも。
そして、「エモ大好き!」 な若人は、すべからく聴くべし。
10年以上も前に、これだけクオリティの高いラウド・ポップが存在していたのですよ!

特に、3 コードで疾走する1曲目 「I Wanna Go Where The People Go」 から
tr.② 「V-Day」、 tr.③ 「Just In Lust」 への流れは最高の極み。
tr.⑦ の 「Woah Shit, You Got Through」 をはじめ、
むしろ、当時隆盛を誇ったメロコア・シーン (←今じゃ死語?) の影響すら感じられます。
しかしtr.⑧ の 「Cold Patootie Tango」 以降には、ゴリゴリのメタル・リフが健在。
その雑食性は、当時としては相当意外だったのですが、
今聴くと・・・・・・普通。いや、最高にカッコ良いのですが。
それだけ先駆け的な存在であり、発明的なスタイルであり、
ワールド・スタンダードになり得る音楽性とレベルの高さであったという事。
しかもtr.⑪ 「Naivety Play」 なんて、
若干、マリリン・マンソンだったり、リンプ・ビズキットとかのラウド・ロックっぽいし(笑)

実は僕、何度も機会があったにもかかわらず、ライヴは一度も観た事がありません。
いつもいつも、来日公演が終った後に後悔しています。
ただ最近は、ジンジャーのソロでも頻繁に来日してくれていますので、
いつかは一緒に、「I Wanna Go Where The People Go」 を合唱してみたいものです。

あ、良い子だったら、タイトルの 「p.h.u.q」 の意味は分かりますよね?
黒人のスラング風に読んでみてくださいね。そうそう、中指立てて!

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