ロックと靴 ~Rock ‘n’ Shoes~ (その1)
各ファッション誌を眺めると、「ロック・ファッション」 というスタイルが人気な様子。ただしロック・マニアから言わせると、「ブラック」、 「ライダースJKT」、 「スキニー・ジーンズ」、 「バンド・Tシャツ」 など、そのイメージが古典的でステレオタイプなのが若干納得いきませんが・・・・・・。いずれにせよロックは見た目が大事! むしろルックス命! ってな訳で、スタイルから入るというのも十分大アリなのではないかと思います。
でも、ロックをキメるなら最も重要なはずのアイテムを、軽視していませんか? そう、「靴」 です。靴こそ、己のロック・アティテュードを最も端的に表現できるアイテムと言い切っても、おかしくはありません。かのプレスリーは 「Blue Suede Shoes」 という名曲を唄い、他にも・・・・・・・・・、思い付かないので割愛。とにかく、「○○が履いているのは××」 というようなイメージが一般的に認知されるほど、ロックと靴には深い関係性があります。そこで今回は、生粋の靴マニアである私サイトウが、ジャンルごとにピッタリとハマる靴を考察していきます! (主にブランド/モデル別で)。
◆ パンク系 : 【 Dr. MARTENS & GEORGE COX 】
パンクス御用達といえば、大定番 “Dr. MARTENS” のブーツと、“GEORGE COX” のラバー・ソール。ともに英国。作業靴であるドクター・マーチンは、THE CLASH をはじめ多くのパンクスの足元を飾ってきました。最近ではアヴリルたんも、白のマーチンをしっかりと愛用しています。厚底でお馴染みのG・コックスはセックス・ピストルズや、パンク好きの俳優、永瀬正敏さんも愛用。
これらを履いててパンク好きじゃない人って少ないのでは? この2ブランドはパンクの印象が強くて逆に敬遠される事もありますが、最近、R・ストーンズのキースがマーチンのブーツを履いているのを発見。それが見事にボロボロで、最強にカッコ良いんです。魅力、再発見でした。
≪写真①≫
以下、写真はサイトウ私物。珍しいチャッカ・ブーツ・タイプ。オ・ト・ナなDr.マーチンです。
◆ メロコア/エモ : 【 VANS 】
いま一番人気のエモ・シーン。エモと言っても色々ですが今回のイメージは、FALL OUT BOYのようなメロコア経由の新世代バンド。そんな中で着用率が高いのが VANS のスニーカー。中でも 「OLD SKOOL」、「SK8-Hi」 というモデルが人気。CONVERSE やNIKE も多いけど、リアル・ストリートなアティテュードを表現するには、スケボーやBMXに特化したブランド VANS に軍配が上がります。 まさにヤンチャな米国白人の代名詞的ブランド! ちなみに、チビTシャツと細身ジーンズ、頭は2ブロックで長い前髪という、一時期の 「フェミ男」 を髣髴させるのが、エモ・バンドの定番ファッション。
≪写真②≫
こちらも人気のモデル、スリッポン。柄がバカさ全開のポップな一足。
◆ ガレージ・ロック系 : 【 CONVERSE “ALL STAR” 】
ギター・ロックが完全に廃れ、ダンス/エレクトロ系が全盛だった2000年頃。革ジャン、細身のスラックス、そして足元に CONVERSE の 「ALL STAR」 を履いたTHE STROKESの登場は実に衝撃的でした。これだけ普通のスニーカーが、こんなにロックだったなんて・・・! それ以降ギター・ロックは復権し、流れは今でも続いています。UKではその影響が顕著で、RAZORLIGHT、 THE VIEW など、ガレージ系はみんなコンバース。中でも黒のハイカットが一番ロックっぽい。みんなが持ってるコンバースは、一番手っ取り早くロック・ファッションが楽しめるアイテムですね。
≪写真③≫
誰もが持っている永遠のマスターピース。こちらは、希少になった米国製。
◆ グランジ/オルタナティヴ系 : 【 CONVERSE “JACK PURCELL” 】
もう死語に近いグランジですが、故カート・コバーン (NIRVANA) から広まったネルシャツ×ダメージ・ジーンズというスタイルには、時代を超えたカッコ良さがあります。そんな彼が履いていて、今やカートの名前が代名詞となっているスニーカーが、コンバースの 「ジャック・パーセル」。 ただしカート本人はお金が無い時代、当時は激安だったろうJ・パーセルを自然と選んだ、というのが本当のところでは? それにしても彼のセンスは抜群で、そんな中からイカした洋服を選び抜き、自分の感性にだけ従って最高の着こなしをしていました。それこそロックのアティテュードで、ファッションの醍醐味。ちなみに、「グランジのゴッドファーザー」 ことニール・ヤング。ライヴ盤 『LIVE AT MASSEY HALL』 の裏ジャケを見るとネルシャツ&ジーンズで、足元はワーク・ブーツという完璧な 「ヘヴィ・デューティ・スタイル」。そっちの方でもグランジの元祖だったんだなあ。
≪写真④≫
カートはネイヴィーでしたが、僕はちょっと外してオレンジに。こちらも米国製。
さて、初回ということで気合が入りすぎ、どうやら長くなりそうです。
次回 『ロックと靴 その2』 へ続きます!