2007/10/12

●【棺桶アルバム③】 VAN DYKE PARKS / Jump!

> ROCK と XX, 音楽雑談 — サイトウD @ 11:18:55

Jump!
◆ VAN DYKE PARKS / Jump! (1984年リリース)

棺桶に入れてもらいたいアルバム企画の第三弾。
この VAN DYKE PARKS (ヴァン・ダイク・パークス) は、
アメリカのポピュラー音楽史を語るうえでは欠かすことが出来ない重要な人物。
数少ないソロ作品はもちろん、楽曲の提供やストリング・アレンジ、
そして、BEACH BOYSの幻の作品 『Smile』 への参加をはじめとした
様々なアーティストとのコラボレーションで、多くの実績と評価を残しています。
日本でも、はっぴいえんどのラスト・アルバムの制作に参加しているのは有名です。

Ys昨年は、ハープを弾き語る女性シンガー・ソングライター
Joanna Newsom (ジョアンナ・ニューサム) のアルバム 『Ys』
ストリングスのアレンジを担当し、そのアルバムは各国のメディアから
軒並み絶賛を浴びました。ジョアンナ、僕もメチャクチャ好きです。
来日公演を見逃したのが、本当に残念 ・・・。

Song Cycleしかし色々と調べてみると、このヴァン・ダイク・パークスという人自身のソロ作には、「売れない」 という言葉が代名詞として付いているようで(笑) と言うのも、ファースト・アルバム 『Song Cycle』 なんて、今聴いても十分に奇妙奇天烈。極めてユニークかつ実験的で、正直、宮沢りえも顔負けのぶっ飛び加減。常人の理解をはるかに超えていると言っても良いでしょう。

そんなヴァン・ダイク、通算4枚目のアルバムが、今回ご紹介している 『Jump!』。
アメリカの古い民話を基にしたというコンセプト・アルバムで、演奏はフル・オーケストラ。
映画音楽やミュージカルっぽい楽曲に、
カントリー的なバンジョーやマンドリン、そしてカリブのスチール・ドラムも加わり、
それはそれは楽しく、ノスタルジックな美しさを持った奇跡のアルバムとなっています。
ヴァン・ダイクのヴォーカルには素っ頓狂なコミカルさがあって、
ひと言で言うなれば、そう、あの有名なネズミさんの世界に飛び込んだようなウキウキ感が満載。
アメリカ音楽の真髄が、この一枚にギッシリ詰め込まれている感じです。
これがシンセサイザー全盛の80年代に発売されたとは ・・・・・・ そりゃ、売れませんわ(笑)

この人、セールスはイマイチなのに、何故そんな好き勝手な活動が出来るのかというと、
実は、アメリカはワーナー・レコードの社員 (確か重役?) なんですよねー! 今は知らないけど ・・・。

で、兎に角。 聴くだけで幸せな気分になれる最高のアルバムなので、
ここ4~5年の間、朝や天気の良い日中は、嘘みたいに頻繁に、しょっちゅう聴いています。
イヤな事があったとしても、これでスッキリと、気持ち良く忘れることが出来るんです。
もはや、この作品なしでは生きられないカラダになってしまいました。

僕の所有品は輸入盤のため、コンセプト・アルバムにもかかわらず歌詞を全く読んでいないのですが、
もしかしたら歌詞を読むと聴こえ方が違ってくる可能性もあるので、逆に読まないでおこうと思っています。

そして、「売れない売れない」 と言われても、こうやって作品は語り継がれているわけでありまして。
ただ単純に、いまだに、時代が全然付いて来ていないだけなんじゃないか? と思っています。

・officialwww.vandykeparks.com/

コメント (0) »

この記事にはまだコメントがついていません。

トラックバックURL : http://blog.music-lounge.jp/2007/10/115/trackback/

コメント RSS トラックバック URI

コメントをどうぞ