2007/6/22

十年ひと昔

> 番組インフォ — サイトウD @ 15:15:20

年齢を重ねるごとに月日の経過を早く感じると言いますが、今年で28歳を迎える僕。そろそろ時間が猛ダッシュで過ぎていくのを実感しています。だって、あの1997年がもう10年前なんて・・・!

97年と言えば、ロック激動の時代。RADIOHEAD が 『ok computer』 をリリースし、「ブリット・ポップ」 に終止符を打ちました。他には PRODIGY や CHEMICAL BROTHERS、 FATBOY SLIM など、当時は 「デジタル・ロック」 とか 「ビッグ・ビート」 と呼ばれたダンス・ミュージックの人気が拡大。他にもハウスのDAFT PUNK、 APHEX TWIN を始めとした WARP勢、GOLDIE、 RONI SIZE 等のドラムン・ベースまで、とにかくテクノ/ダンスが音楽シーンのメインに躍り出てきました。僕より若い方には信じられないかもしれませんが、そこから数年間 THE STROKESが登場するまで、メジャーではシンプルなギター・ロックが全然売れなかったんですよ! アメリカでも、オルタナティヴがチャートから姿を消しつつあったし・・・。

その97年7月に開催されたのが、そう、「FUJI ROCK FESTIVAL」。それは本当に衝撃でした。もう、「ふぇすって、なに?」 みたいな感じですもん。今になってみるとアーティストの少なさに驚きますが、当時では夢のようなメンツ。 いま見返すとロック系はほぼ US勢で、THE SEAHORSES 以外、UKロックは皆無。その代わりダンス系が多数。その時の勢力図が見て取れますね。しかし、それがまさか、台風直撃 & オーディエンスの無知 (装備や過ごし方など全般) により、2日目がキャンセルになってしまうとは・・・・・・。ま、それが良い教訓となり、今のフジロックならびにフェス・ブームへと繋がっている訳ですけどね。

そして、その時の僕。まだ山形在住のカッペ高校生だったので、フジなんか行けるはずもありません。日にちは曖昧ですが、フジロック当日だったか翌日だったか、とにかく夏休みに入ったばかりの僕は、上京していた姉のところへ山形から遊びに来ていました。「今ごろフジロックか・・・」 なんて考えながら渋谷タワレコの洋楽フロアを漁っていると、・・・・・・ん? あの外人さん、もしかして・・・・・・。やっぱり! 間違いない!

BECK が買い物してる!

見てる! BECK が 「R」 のコーナー見てる! TOKIO万歳! でも、なんで? 今はフジロックじゃないの? 何してんの? あああああー・・・・・・。ガクガク震え出し、心臓はバクバク。何故か客が少なかったその時のタワレコ。僕以外では女の子が一人気付いただけで、何の騒ぎも起きていません。僕は勇気を振り絞り、英検準2級の英語力で BECK に話しかけました。

「プ、プ、プ、プリーズ、シェイク・ユア・ハンド。 あ、あのー、シェーク・ハンド・プリーズ」

ああ、英検の役立たず。それにしても BECK ちっちゃい。ほっぺ真っ赤。BECK は、「OK」 だったか 「Yeah」 だったか、何と言ったのかは全く覚えていませんが、ニコっと笑って握手をしてくれました。
田舎者だし、インターネットなんて全然普及していなかった当時。フジロックの2日目がキャンセルされたのを知ったのは確か、翌月の音楽雑誌を読んだか、田舎だからこそ普及していたケーブルテレビの MTV を観ての事だったと思います。
そしてその翌年に僕も上京。東京・豊洲で行われた2回目のフジロックに参加し、 BECK のライヴを観ることになるのでした。

そんな訳で、7月。キャンシステムのロック/ポップス月例特集枠で、 「FUJI ROCK回顧録」 と題し、フジロック第一回目を特集してお届けします。放送は、7月中、毎週火曜と金曜のおよそ15:00から。壮絶な1日目に思いを馳せ、実現しなかった2日目を想像する。そんなプログラムです。もちろん 「POPULAR SPECIAL」 でもシッカリと 「FUJI ROCK FESTIVAL ‘07 特集」 をお送りする予定なので、同時にお楽しみください! それではまた次回~。

【CHANNEL INFORMATION】
キャンシステム番組案内サイト

● 「FUJI ROCK FESTIVAL 回顧録 ~1997年(第一回目)」
・ ロック/ポップス (CAN有線:A-12 / SPACE DiVA:226)
・ オンエア日時 : 毎週 火・金 15:00から

● 「FUJI ROCK FESTIVAL ‘07」 特集
・ POPULAR SPECIAL (CAN有線:A-21 / SPACE DiVA:210)
・ オンエア日程 : 7月16~23日 (Part 1) / 7月24日~31日 (Part 2)