2007/8/22

60’s リヴァイヴァル・・・??

> 音楽雑談 — サイトウD @ 11:57:00

今、UKでは微妙に、60年代リヴァイヴァルがやってきている感じです。
なんだか、「ニュー 60’s」 と呼ばれているとか、いないとか・・・。
(UKのメディアはとにかく音楽シーンをジャンル分けし、名前を付けることが好きで、名前が付いた途端にシーンは一気に縮小するというお約束がありますんで・・・)

数年前から、音楽シーンは80年代のリヴァイヴァル・ブーム。FRANZ FERDINAND 以降のニュー・ウェーヴやポスト・パンクに始まり、MADONNAの名盤 『Confessions On A Dancefloor』 のようにド派手なエレ・ポップもあり。ラウド・ロックやスクリーモに見るメタル人気だって、80年代回顧と言えるでしょう。
90年代に音楽の先端を追ってるつもりの頃は、「メタル」 なんて恥ずかしくて口にも出せなかったんですから(笑) ところが今はどうですか? ENTER SHIKARI とか、サイコーですよねー!

ラヴ、エンジェル、ミュージック、ベイビーそんな僕が 「80年代が本格的にキてる!」 と実感したのは、GWEN STEFANI の1stソロ・アルバムがリリースされた時でした。あそこまで80年代という時代性をコンセプチュアルに表現した作品は、当時としては相当早かったはずです。最初は、「何?コレ!?」 ってな感じで、その意図がわかんなかったもん(笑)

ファッションも一緒だと思いますが、やっぱり単純に、十年前が一番ダサいんですよ。
20歳にもなる人間は皆、10年くらい前の事なら経験してるんだもん。
だって、今やどうですか? 「裏原宿」 って・・・(遠い目)。
それが20年前となると、知ってる人には懐かしさが、知らない人には新鮮さが感じられる。そんな丁度良いタイミングなんだと思います。例えば、ニルヴァーナ等のグランジ/オルタナティヴ・バンド。それぞれの音楽は90年代の金字塔だとしても、あの時代特有のネガティヴなメンタリティって、今の時代には全くもってそぐわないですしね。明るいミュージシャンがバカにされていた時代でありました・・・。
(って事は数年後に、また暗~いロックが流行るのかな?)

で、ようやく本題に戻ります。
80’s ブームはやってきましたが、その同心円上にある 60’s ブームも、ようやくやってきたようです!
何故に 80’s が突然イコール 60’s なのか? と言いますと、
僕、80年代の音楽には、60年代の影響が強い気がするんですよね。
で、前後の70年代と90年代には、60’s 風って結構少ないんですよ。
(あ、90年代のブリット・ポップは60’s のリヴァイヴァルだったけど)

80年代のポピュラー音楽。WHAM!とか、MADONNA とか、CYNDI LAUPER とか KYLIE MINOGUE とか、所謂ポップス系には、雰囲気や曲のメロディー・ラインに、モータウンだったり、フィル・スペクターの 「ウォール・オブ・サウンド」 といった、60’sポップスの影響がよく感じられます。
A LONG VACATION 20th Anniversary Edition日本でも大滝詠一師匠の 『A LONG VACATION』 があったし、山下達郎先生も全盛に。そうそう、アイドルの曲で入れる合いの手、『パン、パパン (ヒュー!)』 は、完全にロネッツの 「Be My Baby」 のビートでしょ!?
今、ワム!の 「Freedom」 に、シンディ・ローパーの 「Girls Just Wanna Have Fun」、 バングルス 「Manic Monday」、さらにベリンダ・カーライルの 「Heaven Is A Place On Earth」 を聴きながら書いていますが、これら、モロじゃなくてもどこか60年代風です。

ってな訳で、80’s が流行れば同時に60’s も来るんじゃ? と思っていた矢先に、キてます!

恋はゴージャスにまず最初。その演出されたヴィジュアルと、楽曲、そしてロリータ・ヴォイスが堪らなく可愛らしい LUCKY SOUL。アルバム 『恋はゴージャスに』(すげえ邦題・・・) で日本デビューしました! 三十代前後には、初期CARDIGANS のようなスウェディッシュ・ポップも彷彿とさせます。バッチリと決め込んだ衣装同様、楽曲も練りに練られた粒揃い。ヴォーカル嬢にばかりスポットが当たりがちですが、後ろの野郎共の中にとんでもない指揮官がいると、僕は踏んでおります。マジで良いバンドなので、一発屋として終わるのだけは避けて頂きたいです、関係者各位。

I Wish I Could Have Loved You続いて、CANDIE PAYNE (キャンディ・ペイン)。アルバム 『I Wish I Could Have Loved You More』 がリリースされました。彼女のお兄ちゃん2人が、THE ZUTONS と THE STANDS という、ある意味で音楽エリートのお嬢さん。60年代のムーディな映画音楽をブリストルで鳴らしたような、ポーティスヘッドを思わせるダークな質感を持った音像が印象的です。かなり本物の予感がします。

Your Kisses Are Wasted on Meそして、サマソニの一発目を飾った3人娘、THE PIPETTES (ザ・ピペッツ)! 輸入盤で既に話題のアルバム 『We Are The Pipettes』 が、10月に日本でもリリースされます。ルックスから楽曲から全て、まるでロネッツやクリスタルズといった往年のガールズ・グループを現代に蘇らせたよう。キュートでキッチュでポップでハッピーで、ウキウキな気分にさせられます。とことんイメージ戦略がバッチリな彼女たち。やはりコチラも裏に、とんでもないブレインがいる気がしますね。それもどこかフィル・スペクターを想像させてくれて、嬉しい限りです (← 妄想な訳ですが)。 ※ 左のジャケットはシングルです

さらには、USですが、GARBAGE の新曲 「Tell Me Where It Hurts」 も60’s風なんですよ!

と、近々リリースされた (もしくは、これからされる) アーティストを見るだけでも多数。他にもUKのヒット曲を聴いていると、明らかに60’sを意識したものが多く見受けられます。
この波は確実にキそうですよ! フィル・スペクターのファンである僕としては、UK から目が離せなくなりそうです。