2007/10/31

●ロックと収集

> ROCK と XX, 雑談 — サイトウD @ 16:46:10

僕が考える男性と女性の違いに、「収集癖」 というものがあります。
そう、いわゆる 「コレクター」 と呼ばれる人々。
世の中には色んなマニアがいて、モノを収集している人たちが沢山いますが、
テレビやら雑誌やらを眺めていても、明らかに男性の方が多いのではないかと・・・。
(現に僕も、スニーカー・コレクターでありますし。過去ログ参照 ⇒  

骨董品はもちろんのこと、同人誌やフィギュアを集めるアキバ系の人たち、
ヴィンテージ・アイテムにこだわる古着マニアなど、
このように 「モノ」 にこだわる人には、圧倒的に男性の方が多い気がします。
でも、アキバ系も、服好きのオシャレさんも、そして音楽マニアも、
向かうベクトルが違うだけで、結局みんな根本的に一緒なんじゃないかなあ?

CDやレコードに限定すると。
過去に廃盤となったものや初版モノなどを集めるいわゆる 「レア盤コレクター」 がいたり、
ボックス・セット、限定盤など、明らかに音楽よりもパッケージ重視のアイテムも多数存在しています。
僕も、内容が一緒だけどジャケ違いのCDとか持ってたりするし。

最近流行りの、レコードの仕様をCDに復刻させた 「紙ジャケ」 なんてのはその代表。
doors.jpg
こちらは最近出た、THE DOORS の紙ジャケ復刻盤。ウヒィ。
でもどうしても、女性がまとめ買いするイメージって、あんまり沸かないんです(笑)

理由を解明し、『男はなぜモノを集めるのか?』 という新書を出したら売れるかな?
歳を取るまでネタを温めておきます(笑)

で、話は変わって。
僕らの元には常日頃、レコード会社さんから、多くのサンプル盤や資料が送られてきます。
そんな中には、豪華なパッケージに包まれたものや、ノベルティ・グッズが付いたものも・・・。
僕達は業務としてこれらのモノを扱っているので感じにくいですが、よく考えると、
熱心なファンから見たら実はヨダレものだったりするんじゃないでしょうかねー?
コレとか↓ BABYSHAMBLES のノベルティ・グッズ、箱ティッシュ!
babysham.jpg

もちろんサンプル盤は、僕の首が飛びますから、外部流出はダメ、ゼッタイなんですけど(笑)

そして実は、そんなレアなノベルティ・グッズや映画のプレス用資料などを、
キャンシステムの音楽情報サイト 「Music Lounge」 でプレゼントすることもあるんです!
ですから皆さん、ぜひマメにチェックしてみてくださいね。
(上記のベビシャン・ティッシュは、プレゼントではありません・・・。悪しからず!!)
今後、このブログでプレゼント企画をしても面白いと思いますが、そこは、アクセス数次第ということで。

今回は何だか、随分とっ散らかった内容になりましたが、今後ともひとつご贔屓に(笑)
では!
rack2.jpgrack1.jpg
こちら、弊社の音源ラックの一部。レア盤があったりしそうです。

2007/10/12

●【棺桶アルバム③】 VAN DYKE PARKS / Jump!

> ROCK と XX, 音楽雑談 — サイトウD @ 11:18:55

Jump!
◆ VAN DYKE PARKS / Jump! (1984年リリース)

棺桶に入れてもらいたいアルバム企画の第三弾。
この VAN DYKE PARKS (ヴァン・ダイク・パークス) は、
アメリカのポピュラー音楽史を語るうえでは欠かすことが出来ない重要な人物。
数少ないソロ作品はもちろん、楽曲の提供やストリング・アレンジ、
そして、BEACH BOYSの幻の作品 『Smile』 への参加をはじめとした
様々なアーティストとのコラボレーションで、多くの実績と評価を残しています。
日本でも、はっぴいえんどのラスト・アルバムの制作に参加しているのは有名です。

Ys昨年は、ハープを弾き語る女性シンガー・ソングライター
Joanna Newsom (ジョアンナ・ニューサム) のアルバム 『Ys』
ストリングスのアレンジを担当し、そのアルバムは各国のメディアから
軒並み絶賛を浴びました。ジョアンナ、僕もメチャクチャ好きです。
来日公演を見逃したのが、本当に残念 ・・・。

Song Cycleしかし色々と調べてみると、このヴァン・ダイク・パークスという人自身のソロ作には、「売れない」 という言葉が代名詞として付いているようで(笑) と言うのも、ファースト・アルバム 『Song Cycle』 なんて、今聴いても十分に奇妙奇天烈。極めてユニークかつ実験的で、正直、宮沢りえも顔負けのぶっ飛び加減。常人の理解をはるかに超えていると言っても良いでしょう。

そんなヴァン・ダイク、通算4枚目のアルバムが、今回ご紹介している 『Jump!』。
アメリカの古い民話を基にしたというコンセプト・アルバムで、演奏はフル・オーケストラ。
映画音楽やミュージカルっぽい楽曲に、
カントリー的なバンジョーやマンドリン、そしてカリブのスチール・ドラムも加わり、
それはそれは楽しく、ノスタルジックな美しさを持った奇跡のアルバムとなっています。
ヴァン・ダイクのヴォーカルには素っ頓狂なコミカルさがあって、
ひと言で言うなれば、そう、あの有名なネズミさんの世界に飛び込んだようなウキウキ感が満載。
アメリカ音楽の真髄が、この一枚にギッシリ詰め込まれている感じです。
これがシンセサイザー全盛の80年代に発売されたとは ・・・・・・ そりゃ、売れませんわ(笑)

この人、セールスはイマイチなのに、何故そんな好き勝手な活動が出来るのかというと、
実は、アメリカはワーナー・レコードの社員 (確か重役?) なんですよねー! 今は知らないけど ・・・。

で、兎に角。 聴くだけで幸せな気分になれる最高のアルバムなので、
ここ4~5年の間、朝や天気の良い日中は、嘘みたいに頻繁に、しょっちゅう聴いています。
イヤな事があったとしても、これでスッキリと、気持ち良く忘れることが出来るんです。
もはや、この作品なしでは生きられないカラダになってしまいました。

僕の所有品は輸入盤のため、コンセプト・アルバムにもかかわらず歌詞を全く読んでいないのですが、
もしかしたら歌詞を読むと聴こえ方が違ってくる可能性もあるので、逆に読まないでおこうと思っています。

そして、「売れない売れない」 と言われても、こうやって作品は語り継がれているわけでありまして。
ただ単純に、いまだに、時代が全然付いて来ていないだけなんじゃないか? と思っています。

・officialwww.vandykeparks.com/

2007/10/5

●【棺桶アルバム②】 RON SEXSMITH / RON SEXSMITH

> ROCK と XX, 音楽雑談 — サイトウD @ 12:34:35

Ron Sexsmith
★ RON SEXSMITH / RON SEXSMITH (1996年8月リリース)
棺桶アルバム・シリーズ第二段は、
カナダ出身のシンガー・ソングライター (以下SSW)、RON SEXSMITH。
こちらもリピート率の極めて高い、生涯の名盤です。

96年当時、BECK の 『Odeley』 がリリースされた前後。もの凄い微妙なSSWブームがありました。マジでビミョーなんですけど(笑) 新人SSWの国内盤リリースが相次いだ時が、一時だけあったんです。

そんな中、完璧に一歩抜きん出た評価を得ていたのが、
彼、ロン・セクスミスのメジャー・デビュー・アルバム 『ロン・セクスミス』 (通算2枚目)。
かのエルヴィス・コステロが 「一生聴き続けるアルバム」 的なコメントを残したという触れ込み付きでした。
洋楽雑誌のレヴューでは軒並み高評価を獲得。
点数を付ける雑誌においては、何と、ほとんどで満点が付けられていたという記憶があります。

それらを読んで、思わずアルバムを購入した僕。聴いて一発でノック・ダウンでしたね。
ロンはフォーク・シンガーなので、当時、メタル → オルタナ → メロコア と嗜好が変遷していた僕には一見すると合わないように感じますが、 ERIC CLAPTON のアンプラグドが好きだった事もあり (ブルースだけど)、実にスムーズに耳へと入ってきました。
馴染みの良い優しいメロディー。ヴィヴラートの利いた個性的な深みのある声。そして、市井の人々を描いた物語性の高い泣ける歌詞。聴いていると、思わず笑顔がこぼれそうな愛しさと、胸をグッと締め付けられるような切なさと、希望が溢れるような心強さ (← ん? アレ?) が同時に沸き起こるような、本当に素敵なアルバムです。

特に、一曲目 「Secret Heart」。最高のメロディーは勿論のこと、
「君の秘めた気持ちを、勇気を出して打ち明けてしまおう」 と呼びかける
恋する男の想いを唄ったこの曲の歌詞は多くの共感を呼び、ロンの代表曲とされています。

前述のコステロ同様、ミュージシャン内での評価も非常に高く、
後のアルバムでは、COLDPLAY のクリス・マーティンがゲスト参加していたりもします。

また、彼が素晴らしいのは、以後のアルバムがいずれも名盤で、当たり外れの一切ない点。
「変化がない」 と言ったらそれまでですが、クオリティに揺ぎが無いのは、まさしく天賦の才能。
ロンの良き友人、ドン・カーと結成したデュオ 「SEXSMITH & KERR」 のアルバムも、
同様に棺桶行きが決定してます。
Destination Unknown

そんな訳で、高校時代から好きだったロン・セクスミスですが、
「コレは本気で好きかも♪ LOVE!」 と自分で気付いたのは、大学時代。
そこから他にもフォークを聴き出し、BOB DYLAN や LENARD COHEN はもちろん、
現代の SSW から 輸入盤でしか手に入らない60~70’s のアーティストまで、
色々とフォーク系 SSW の音源を漁り始める事になったのでした。
当時はパソコンを持っていなかったし、情報も少ないので、少~しずつですけども ・・・。
そしてその趣味は、今でもまだまだ継続しています。

僕、もしも仕事に関係なく自分の趣味だけを追求する事になったら、
ほぼ、フォーク/カントリーしか聴かない気がしています。
それもこれも、元はと言えば、ロン・セクスミスのせい。

上京して以来、来日公演が行われたら、絶対に欠かさず足を運んでいます。
毎回毎回、これがまた本当に優しくて良い人で ・・・。
また来てくれないかなー。月一くらいで聴きたい、僕のフェイヴァリット・アーティストです。

タイム・ビーイング
★ 最新アルバム 『Time Being』

2007/9/25

幾つになってもアナーキー! in the Ogikubo

> ROCK と XX, 雑談 — サイトウD @ 13:04:11

二十代も終盤となった社会人として一体どうなのか?と、一瞬躊躇いたしましたが
先日、思わずモヒカンにしてしまいました(笑)

mohi_1.jpg

会社の皆さん、フザけててすみません。この場を借りて (形だけ) 謝罪いたします。

ソフトじゃなくて、ハードです。サイドの手触りがチャリチャリです。
今のところ周囲の反応は上々ですが、幾分バカにされているか、呆れられてる感も否めません。

親が見たら泣くかも? とか思いきや・・・
実は、僕の母親は美容師なので、金髪やパーマネントくらいじゃ全く怒りません。
むしろ高校時代から、染めてやろうか? 巻いてやろうか? ぐらいの勢いです。
その割にヒゲとロン毛が大嫌いなもので、その点だけいつも怒られます。
ですから多分、モヒカンは大丈夫です。

それにしても、モヒカンほどストレートに音楽の一ジャンルに通じる髪型はございません。
どこからどう見ても、パンクス。
スーツ着てもパンクス。袴着てもパンクス。もち、裸でもパンクス!
頭の両脇に髪の毛が無いだけで、すごい反体制的に感じますよね。
某えなり氏のように髪の毛が全部無い場合は 「健全」 や 「誠実」 の証なのに、どういう訳なんでしょう?
「襟足だけが長い」 っていうのも反抗的なイメージがありますから、
どうやら 「一部だけ○○」 っていうのが、そんなカゲキさを演出するのかもしれません。

なのでいっそのこと、本日からは挨拶をする時、
手は 「裏ピース」 で、さらに唇はシド風にねじ曲げてするようにしますので、
関係者各位は、今後ヨロシクお願いいたします (← ウソ)。

それよりも、先日、姉に3人目の子供 (女の子) が生まれたのですが、
会いに行くとき、甥っ子姪っ子に怖がられないか、それだけが心配です。

2007/9/13

LIVE IN JAPAN (ライヴと日本人)

> ROCK と XX, LIVE, 音楽雑談 — サイトウD @ 10:43:14

allstar.jpg
一昨晩に降った豪雨で、コンバースのALL STAR(白)に、ジーンズの色が移ってしまいました。
今では貴重なアメリカ製なので、哀しいです。サイトウです。

さて、ライヴの話題。日本の客は外国人と比較し、かなり大人しいという話をよく聞きますよね。
特に、曲間で 「シ~ン」 と静まり返るのが、海外アーティストには不可解なよう。
演奏中は大騒ぎでも、曲が終わると突然静まり返るため、不気味に感じる人たちも多いらしい。
加えて、歓声や手拍子、果てには拍手すらためらいがちな日本人。
これにもアーティスト側は、不安になることがある様子。

その特徴を好意的に受け入れてくれるアーティストは必ず、
日本人のオーディエンスを 「礼儀正しい」 と表現します。
そう! その通り! 日本人のライヴにおける態度は、アーティストへのリスペクトの表れ。
演奏、パフォーマンスを熱心に観ている翔子なのです。違う、しょこたんじゃない。証拠なのです。
静かながらも十分に楽しんでいますから、完全に文化の違いとしか言いようがないんです。

そんな日本人のライヴの観方を、何の文献にもあたらず勝手な憶測のみで考察すると ・・・

● 基本的に何かを鑑賞する場合は、その間、静かにするよう教育されている。
学校行事なんかで、演劇やら吹奏楽の演奏などを鑑賞させられている時、歓声を上げたりしたら、きっと怒られますもん。じゃあ何で? 以下完璧に勝手な憶測ですが、太古の昔より、日本における芸能は神事に関わる事だったため、騒ぐことは許されなかった。その伝統 ・・・ とか?

● 和を以って貴しとなす
日本人だって盛り上がります。盆踊りとか。ただし盆踊りでも阿波踊りでも、全員の動きは決められています。それは現在、パラパラにも引き継がれています。個々人で勝手に踊るのは好ましくない。だからライヴでも皆が同じ所で一緒に騒ぎ、統率の取れた行動を取ってしまう。村単位で農耕を行っていた時代の名残ですねー。

● 目立つのが恥ずかしい
「和の精神」 からも分かるとおり、一人だけ歓声を上げたり踊ったりするのは気後れする。ですからフェスやパンク系、もしくはクラブのように大騒ぎしている人の方が多数の会場だと、その輪はどんどん広がります。大きな会場だと、やたら盛り上がってる場所と微動だにしない場所がキッパリ分かれるのは、この為だと思います。

● リスペクト
アーティストが一生懸命に演奏しているのに、騒いだりしたら失礼になるという考え。もしくは、熱心に鑑賞している周囲の人への気配り。これも 「和」 ですなあ。だから逆に、日本人アーティストのライヴで外人さんのような奇声を発したりおしゃべりする人がいたら、お客さんはもちろん、アーティスト側も気分が悪いんじゃないかな?

● 非現実感が強い
日本人にとってライヴは特別なイベント。何日も前から楽しみにし、ドキドキして出かけるものです。だから、観ている観客が緊張している。もちろん外国人だってそうでしょうが、夜、適当にバーやクラブへ行き、生バンドの演奏を聴けるような環境がある外国に比べ、その特別感はより大きなものがある気がします。

以上が僕の考える、日本人客の静かな理由。何度も言います。全部、憶測です(笑)
ただいずれにせよ ・・・、それでも良いと思います。

ライヴの楽しみ方を知らないのではなく、そういう文化なのです日本は。
だからむしろ演奏する海外アーティストの方に、文化の違いを理解し頑張ってもらいたい。
日本語でMCをして、簡単なコール・アンド・レスポンスを要求するとか。
大概盛り上がらないライヴって、英語で長々とMCを喋ったり、逆にずっと無言だったりするし。
一方で、盛り上がるライヴは、客の煽り方が上手い場合が多いです。
あと最終的に、別に静かでも良いじゃない(笑) 個人主義じゃなくても良いじゃない。
日本だもの。にんげんだもの。そんな日本が、僕は大好きです。
演奏は、静かに聴くものだよ! 何だか書いてるうちに、そんな気分になってきました(笑)
っつーか外人さんって、ライヴ中、何をあんなに話しているんだろう・・・?

ただひとつ。拍手も何もせず、腕組みして観ている客は大嫌いです。ギョーカイ人に一番多いけど。

ライヴ・イン・ジャパン ◆ DEEP PURPLE 『Live In Japan』
海外では素晴らしい演奏と共に、観客が座っているジャケット写真も話題になったらしい。「Smoke On The Water」 で起こる観客の手拍子が音頭風で、リッチー・ブラックモアが合わせづらそうにする点、ならびに 「Lazy」 では、手拍子のリズムが全く合っていない事にも注目。現在の日本は、確実に進化した(笑)

at 武道館(紙ジャケット仕様) ◆ CHEAP TRICK 『at Budokan』
「甘い罠」 での “クラーイン! クラーイン! クラーイン!” という女子たちの熱狂的な合唱が全世界で有名な、名ライヴ盤。女子のイケメン男子へ対する黄色い声だけは、古今東西にかかわらず、どこでも強烈。

idiot.jpg ◆ GREEN DAY 『American Idiot +爆発ライヴ! ~TOKYO編』
グリーン・デイ日本独占企画のライヴ盤シリーズ、『爆発ライヴ』 (DISC 2)。とてつもない大合唱、完璧なコール&レスポンス。ビリー・ジョーの観客の煽り方は上手いし、オーディエンスもドタマから最高潮。双方が最高地点でぶつかった様子が収録されたライヴ録音。やはり全てはバンド次第ですね。